薬局薬剤師として勤務を続けて9年・・・うち数年を管理者として、多くのスタッフと関わるうちに仕事に対するモチベーション維持のために大切なことが分かりました。
結論からお伝えすると、ズバリ「ゆるさ」です。
もちろん、責任感をもって仕事することは大切です。いつもゆるゆるでいましょう、と無責任なことをいうつもりはありません。
いまの仕事をさらに効率よく行い、自身の負担を少なくさせるためにちょっと気を抜いて仕事するスキルを身につけておくと楽になります。
ここでは、仕事が楽になるためのヒントをお伝えします。即効性のある知識ばかりのため、ぜひご活用ください。
ゆるく働くとは具体的にどういうこと??
ゆるく働くとは、与えられた仕事を効率良くこなしつつ自分に対して無理をさせない働き方です。ゆるいからといって、単にリラックスしてのびのびと働くことではありません。
わざわざ働き方を検索して、ここに目を通してくださっている方は、「仕事にもっと余裕をもたせたい」「日々、切羽詰まっていてしんどい」など元々仕事に対するモチベーションの高い方ではないでしょうか。
残業が多い、人員が足りてないなど根本的な会社全体の問題は各自でどうにかできるものではありません。しかし、仕事に対するしんどさは、マインドを少しだけ工夫すると今よりもずっと楽に働けるようになります。
ゆるく働くとは、必要な仕事を効率良くこなしつつ自分自身を大切にする働き方です。以降でさらに詳しく解説していきます。
ゆるく仕事するメリット3つ
ゆるく仕事をするメリットは、ストレスが減って疲弊しにくくなるだけではなく、余裕をもって働けるようになります。心身ともに無理がないため、「月曜日仕事・・・うわああ」と現実逃避が減る場合も。さらに具体例とともに深堀してみましょう。
【メリットその1】ストレスが軽減される
ゆるく働くメリットのひとつとして、ストレスが圧倒的に減ります。ゆるく働く意識をもつことで、余計なことを考えずに済みむためです。
例えば、あれもこれもとマルチタスクの状態だと脳が常に働き続けているため、ストレスがどんどん蓄積されています。ここで、ゆるさを導入すると。「あれが終わったら簡単な作業をしてみよう」「これが終わったら水でも飲んでひと息つこう」など、メリハリをもって仕事できます。
社会人の抱えるストレスは、業務に関するものから人間関係など様々です。全てのストレスに都度対策していくよりも、根本部分の改善に取り組む方が解決に向けてのスピードが圧倒的に早いでしょう。
【メリットその2】余裕が生まれる
ゆるい働き方によって、余裕が生まれます。「まあいいか」マインドを持つことで、常に完璧でなければならないという意識を除外できるためです。
例えば、薬剤師などの医療系の場合。患者さんと関わることに関しては、「まあいいか」では済まされません。絶対に手を抜いてはいけないところです。薬局業務は、患者さんと関わる以外にOTCといった医薬部外品やお菓子などの販売も行っています。そうした販売面に関しても、「絶対に完璧に売場を設定しなければならない!」と意気込んでいては疲れてしまいますよね。
全ての仕事に完璧を求めないことで、業務で手を抜けるところ抜いたらダメなところが見分けられて、余計な負荷がかかるのを防げます。
【メリットその3】疲弊しにくい
ゆるく仕事をするメリットとして、疲弊しにくいことが挙げられます。ゆるさを身につければ、常に気を張らなければならない、といった状態から抜け出せるためです。
例えば、ストレスの項目でもお伝えしましたが、マルチタスクを抱えている場合。日々、業務に圧迫される状態が続くとストレスが溜まりに溜まって、心と体に支障をきたしてしまうことがあります。
体の疲労は、しっかり食べて、しっかり寝ることである程度リカバリーが可能です。しかし、疲弊してしまった場合は心と体が疲れているため、ご飯を食べたり十分な睡眠をとっても回復に時間がかかってしまいます。一度、疲弊してしまった心は元に戻るのに時間がかかります。
ゆるい働き方を身につけて、心身ともに健やかな状態を保てることは、将来的にみて大きな価値になるでしょう。
ゆるく仕事するための具体的なコツ2つ
ゆるく仕事するにはどうしたらいいの?と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。「どうせ仕事のできるひとじゃないとできないんでしょ」「そもそも仕事量が多くてゆるく働くのは無理」という声が聞こえてきます。
ここでは、誰でも簡単に取り入れられるコツを2つご紹介します。たった2つのコツを意識するだけで以前よりは楽に働けるようになるでしょう。
【ゆるく働くコツその1】やるべきタスクを明確にする
ゆるく働くためには、やるべきタスクを明確にしてみてください。当日中にやるべきことか、1週間以内にやるべきことか時系列にそって明確化してみると計画性が生まれます。
計画性がうまれると、漠然と抱えていた仕事量が目に見えるため手を抜けるタイミングなどが把握しやすくなるためです。
例えば、メールチェックや上司への進捗報告、資料作成、提出物のチェックなど、ジャンルの異なる業務に追われている場合。以下の項目を目安に、それぞれ分類してみましょう。
- 5分以内で済むか
- 納期は近いか
資料作成は1ヶ月後、提出物の納期があさっての場合。どのようにタスクをこなしていくべきでしょうか。まず、納期の近い提出物を優先的にこなしますよね。その隙間時間で、メールチェックは可能です。資料作成は、上司の進捗報告と同じタイミンングでアドバイスを伺うなどすると効率的になります。
タスクを明確にして、業務の優先順位を組み立てることで、無理のないスピード感で働けます。
【ゆるく働くコツその2】自分の現段階での力量を把握する
自分の力量を把握することは、実はとっても大切です。力量が分かっていないと、いざ仕事を任せられてもどこから手をつけて良いのか分からなくなってしまいます。
分かりやすい例でいうと、機器類の操作方法に自信がない場合。仕事を任せられたとしても、細かな部分で操作が止まってしまうため、結果として助けを求めることになります。そうなると、まずは機器類の使い方から教えてもらわなければなりません。
現段階での力量を把握しておくと、仕事を任せられても、できるできないの判断がしやすくなります。上司といえど人間のため、「できません、教えてください」といわれたら無下にされることはないでしょう。(もしもひどい態度を取ってきたらノールックで辞表を叩きつけて転職推奨です)
自分の現時点での力量を把握しておくと、仕事を任された時にどこまでできるかの判断がしやすくなります。足りない部分は教えてもらうなどスキルアップにつなげると、結果として業務効率化につながり、将来的なゆるい働き方の糧となりますよ。
日々、意識すると良いたった一つのこと
結論からお伝えすると、ゆるく仕事をするために必要なことはたった1つ。
それは、「自分の思考に舵をとられすぎない」です。原則として、「人は感情で動く」という言葉があります。人の行動と感情は、切り離せない関係性です。
思考によってうまれる感情に左右されて、余計なことに気を回してしまうと仕事のスピードが落ちるだけではなく、ケアレスミスの要因になりかねません。
例えば、人間関係。「あれ?あいさつしたのに返事がない?」「目を合わせてくれなかった」ということがあると、つい(嫌われたのかな・・・)と思ってしまいがち。相手の行動によってうまれたネガティブな思考に舵をとられると、嫌われていない証拠探しをしてしまいます。
そして、その日はモヤモヤした感情にとらわれることに。モヤモヤで仕事をするのは、ゆるく働くことと真逆です。
そんな時は、自身を客観視してみましょう。「ああ、いま自分はこういうことを思っているんだな」と俯瞰できると、思考にとらわれることが少なくなります。いきなり、すぐに俯瞰するのは難しいかもしれません。練習と思って、まずは、1日3回、思考に捕まりそうになったら一歩引いて客観視してみてください。私もいまだに練習中ですが、気持ちの面で物事をだいぶ楽に考えられるようになりました。
「人間は考える葦(あし)である」というフランスの哲学者パスカルの言葉があります。自然の中で葦のように弱い存在だが、考えることができる。考える力こそ人間に与えられた偉大な力である、と述べられています。
思考はときに余計なことを考えてしまう要因となりますが、思考できるからこそ人がここまで発展できた歴史があります。思考そのものを悪とするのではなく、うまく付き合っていきたいですよね。
ゆるい働き方は最強のツール
これまで、ゆるく仕事をする上でのメリットやコツについてお伝えしました。全てを網羅する必要はなく、使えるなと感じてもらえた部分をぜひ取り入れてみてください。
ゆるい働き方のポイントは以下の通りです。
- ストレスや疲弊が減る
- タスクを明確にして、力量を知る
- 思考に行動をゆだねすぎない
実は、1年目の頃は職場環境が良くなく、先輩にいびられで日々出社するたびに辞めたいマンでした笑
ある日、気づいたのは、どうせ同じお金をもらって働くなら、楽しくのびのび仕事したいな・・・と思ったことがきっかけです。仕事のできる先輩をみて、どう動いているのかマネした結果、多くの先輩が仕事にメリハリをつけていることが分かりました。
いま、漠然と仕事に対してしんどさを感じている人は、ぜひこちらの内容を参考にゆるい働き方をとり入れてみてください。そもそも残業が半端ない、仕事量に比べて人員が少なすぎるなど根本的な問題がある場合は、転職も考慮しましょう。会社にとって人材のひとつでも、自分の人生には自分しかいません。心身ともに疲弊して、復活に時間がかかるよりも、自分を楽にする方法を選択してみてください。